号 外

『1度かかれば大丈夫』は危険 
      ★2004年5月16日掲載  東京新聞…くらし記事
    に取り上げて頂きました

風疹(ふうしん)が11年ぶりに流行しつつある。風疹はその時の症状こそ軽いが、妊娠中に感染すると
生まれてくる子どもに重い障害が出ることが懸念されている。
こうした中、風疹が原因で心臓などに障害を負って生まれ、18歳の若さで亡くなった女性の母親・
可児佳代さん(50)=岐阜市=がホームページ(HP)で、風疹への理解を呼び掛けている。
                                   (遠藤 健司)


■妊娠中の感染で子どもに障害

風疹はウイルス感染後、発熱とともに発疹(ほっしん)が現れる。通常三日ほどで消え、
三日ばしかともいわれる。
妊娠中に感染すると先天性風疹症候群(CRS)といい、子どもに障害が残る。

昔は五年周期で全国的な流行があったが、予防接種の効果もあり、1993年に大流行して以降は
局地的な流行にとどまっていた。ところが、今年に入り鹿児島・群馬・大分・宮城・埼玉、栃木県で
患者が多数発生。
CRSを患った子どもも既に三人いる。
厚生労働省では先月上旬、感染に対する注意喚起をし、特に妊娠する可能性がある女性のワクチン
接種を呼び掛けている(ただし接種後二カ月以内は避妊が必要)。

■娘失った母がHPで訴え

可児さんは22年前、妊娠中に風疹にかかった。不妊治療中の4年目で、ようやくつかんだ妊娠とほぼ
同時期の罹患(りかん)だった。この84年は、風疹が大流行した。可児さん自身は幼稚園のころに
風疹にかかっており「一度かかったら二度はない」と思っていただけに「まさか」の思いだった。

やはり流行した77年には、多くの人が子どもの障害を恐れ人工中絶していた。悩みに悩んだが出産
を決断した。
誕生した長女・妙子さんは白内障、心臓病そして難聴の重複障害を抱えた。難聴施設やろう学校へ
通いながら、言葉も徐々に習得。手紙やファクス、携帯電話のメールも使いこなせるようになり、多くの
人と交流できるように。
「不思議な力があった子」と驚くほどに成長。高校卒業後は、働くことを夢見ていた。
しかし、2001年2月、卒業前に、肺高血圧症で急逝した。

HPは、存命なら妙子さんの二十歳の誕生日に当たる一昨年11月20日に立ち上げた。
厚労省の注意喚起後、すでに9000件を超すアクセスがある。「私も一度かかったら大丈夫と思ってい
たが、抗体が下がると再度罹患することを多くの人は知らない」と可児さん。同じように子どものころに
予防接種を受けていても罹患する例があり、心配なら免疫の有無を確かめる検査もある

可児さんは「せっかく授かる命に、妙子のような過酷な運命を背負わせないでほしい。
予防接種すれば、たいていは避けられるんです」と強調する。妊娠中は接種できないので、
人込みに行かないなど罹患リスクを避けることが大切だ。

可児さんは「妙子がいてくれて幸せだった。障害があっても手が温かければ、前へ進める。
私は娘を先立たせてしまったが、ほかの人には、こんな思いはさせたくない。風疹で障害を負う
お子さんが生まれないようにすることが娘からの宿題だから」と話す。妙子さんの18年の軌跡と風疹
に関する情報は、HP(http://www5d.biglobe.ne.jp/~kani1120/index2.htm)で


◇風疹の予防接種  1977年に、中学生女子を対象に、学校での集団形式で始まった。
95年4月から男女問わず生後12−90カ月未満が対象になり、個別方式に変更された。
変更に伴い、79年4月2日から87年10月1日生まれの人の接種機会が失われたため、
厚労省では昨年9月30日まで、この「谷間世代」を対象に接種が無料で受けられる経過措置を
とってきた。しかし、今、妊娠適齢期を迎える同年代の人の接種率は低く、同省では約半数の
600万人前後が未接種と推計している。

直線上に配置

  子に重い障害…「防いで」
   ★2004年4月26日掲載  中日新聞…生活部記事
    に取り上げて頂きました

風疹(しん)が流行りつつあるる風疹はその症状こそ
軽いが、妊娠中に感染すると産まれてくる子どもに
重い障害がでる事が懸念されている。
こうした中、風疹が原因で心臓病などに障害を負って
生まれ、18歳の若さで亡くなった女性の母親・可児佳
代さん(50)〓岐阜市〓がホームページで、風疹への
理解を呼びかけている。
「風疹で障害を負うお子さんが生まれないようにすること。
其れが娘からの宿題だから」
                    (遠藤 健司)


風疹流行の兆し 妊婦は要注意

風疹はウィルス感染後、発熱と共に発疹(ほっしん)が
現われる。
通常3日ほどで消え、三日ばしかとも言われる。
妊娠中に感染すると先天性風疹症候群といい、子供に
障害が残る。
昔は5年周期で全国的な流行があったが、予防接種の
効果もあり、
1994年以降は局地的な流行にとどまっていた。ところが、今年にいり
鹿児島・群馬・大分・宮城・埼玉で患者が多数発症。
風疹症候群を患った子供も既に2人いる。
厚生働労省では今月上旬、感染に対する注意喚起をし、
特に妊娠の可能性がある女性はワクチンの接種を
呼びかけている。

娘亡くした可児佳代さん訴え

  可児さんは22年前、妊娠中に風疹にかかった。
不妊治療中の4年目で、ようやくつかんだ妊娠とほぼ
同時期の罹患(りかん)だった。
この82年は、風疹が大流行した。可児さん自身幼稚園
の頃風疹にかかっており
「一度かかったら二度はない」と思っていただけに
「まさか」の思いだった。
  やはり流行した77年には、多くの人が子供の障害を
恐れ人工中絶していた。、悩みに悩んだが出産を決断
した。
 誕生した長女・妙子さんは白内障・心臓病そして難聴
の重複障害を抱えた。難聴通園施設や聾学校へ通いな
がら、言葉も徐々に習得。手紙やファクス、携帯電話の
めーるも使いこなせるようになり、多くの人と交流できる
ように。「不思議な力があった子」と驚くほどに成長。
高校卒業後は働くことを夢見ていた。しかし、2001年
2月卒業前に、肺高血圧症で急逝した。
                
 ホームページは、存命なら妙子さんの二十歳の誕生日
に当たる 一昨年11月20日に立ち上げた。
「私も一度かかたら大丈夫と思っていたが、抗体が下
がると再度罹患するといったことを多くの人は知らない」
と可児さん。
実際、厚生働労省の注意喚起後、可児さんのホームペ
ージには6000件を超すアクセスがある。
 可児さんは「せっかく授かる命に、妙子のような過酷な
運命を背負わせないでほしい。
予防接種すれば、たいていは避けられるんです」
と強調する。
妊娠中の接種はできないので、人込みに行かないなど
罹患リスクを避けることが大切だ。
 可児さんは「妙子がいてくれて幸せだった。障害が
あっても手が温かければ、前へ進める。私は娘を先立
たせてしまったが、ほかの人には、こんな想いはさせた
くない」と話す。
妙子さんの18年の軌跡と風疹にかんする情報は
ホームページで。
http://www5d.biglobe.ne.jp/~kani1120/index2.htm